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五十肩・四十肩

肩関節は解剖学上、球関節といわれており関節可動域の広い関節です。

そのため、一度痛めたりして動かさなくなると関節拘縮を起してしまい、日常生活動作に非常に支障を来す部分です。

五十肩というのは疾患名ではなく、腱板損傷・石灰沈着性肩関節周囲炎・肩峰下滑液胞炎(けんぽうかつえきほうえん)・上腕二頭筋長頭腱炎(じょうわんにとうきんちょうとうけんえん)などを除外した、原因のない肩の痛みを伴った運動障害(拘縮)を五十肩といい四十肩との違いは発症年齢の違いだけです。

 

症状としては、40歳前後から50歳~60歳代に多く、症状は急性に現れたり徐々に現れるものもあります。
特に多いのは、夜寝ている時に痛くなる夜間痛。そして、髪をとかしたり、エプロンの紐を結ぼうとするなどの動作で疼痛が誘発されます。

 

五十肩は、症状により3段階に分かれます。

1.炎症期  2~12週間程度
疼痛が最も強い時期。肩の前方や奥の方などに痛みを感じます。
この時期はあまり動かさずに安静にしているのが大事です。

 

2.拘縮期  3~12か月
日常生活であらゆる方向への運動制限が生じ、肩関節の関節可動域が減少します。
特に、洗髪や女性の場合は下着の着脱が困難となります。
この時期は、患部を温め可動に応じて少しずつ動かし始めます。

 

3.解氷期拘縮が次第に弱まり、夜間痛も改善されてくる時期です。
徐々に自動運動を増やしながらストレッチやトレーニングを行ないます。

 

当院ではまず五十肩で大切なのは、患部が3段階のどの時期にあたるかというところの鑑別です。
炎症期にもかかわらず、激しく動かしたり、拘縮期にもかかわらず患部を冷やしたりしてしまうと症状の悪化を招きます。
また、五十肩で一番気を付けなければいけないのは、痛みが取れた後も関節拘縮が残ってしまい、生涯、肩の可動域制限が後遺症として残ってしまう事です。
まず、患部の状態を確認して、状態にあった治療をいたします。

 

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